ネタバレを含む辛口レビュー
主人公は王様になる自覚のない王子と御付の男3人で旅をしていくのですが、サバサバ系女子の4人旅か?ってぐらい男の友情をはき違えていました。これ作った人、腐女子かな。王子と御付のものの間に見えない上下関係ってのも描ききれてないし、王子らしさがまったく皆無な主人公でプレイしていてもまったく魅力を見いだせず、人として成長し王となった姿も結局アホ王子のままで終了。物語を通じて伝えたかった男の友情というものがまったく伝わってきません。
ヒロインとなるルーナも序盤で殺されてしまうのだけれど、ルーナを殺害する必要性はまるでないシナリオだったし、イグニスの目を見えなくしたのもよくわからない?プロンプトが実はニブルヘイム人であの施設の鍵がなぜ開けられるのかもいまいちわからないままだったし、どれもこれもまったく釈然としないまま終わってしまいました。
ラスボスとなるアーデンこれまた残念でただのチャラい薄っぺらい薄汚いおっさん。どうして逆恨みするようになってしまったのかのストーリーが一つ挟まっているだけでもうちょっとシナリオ的にマシになったのでは?と思うと残念でならないが、そのストーリーを挟んだとしてもあのおちゃらけたトーンで最初から最後まで行ってしまったので苦痛でしかなかった。
このゲームのシナリオを3行でまとめるなら
「人々を救っていた旧王族が王族を追放されたのを逆恨みし
王家を滅ぼそうとした結果星が滅びそうになってしまって
仕方ないから現王子が頑張ってみた☆」
というストーリで間違いなく表現できてしまう薄っぺらい感じでした。根本のシナリオがこんな感じなので、アップデート対応でシナリオが追加されてもこれ以上プレイする気には到底なれないという気持ちでいっぱい。
チャプターが14個に分かれていますが、面白くプレイできたのは海を渡る前まで。クエストをクリアしたり寄り道したり自由にプレイできる上に、この辺のシナリオはまだ割とマシ。海を渡ると途端に行動範囲が狭くなり、リヴァイアサンを仲間にしてからというもの、そこから先に自由はまるでありません。
チャプターごとのウェイトがバラバラでかなり時間のかかるチャプターもあれば、まったく時間のかからないチャプターもあり分ける必要性ありましたかね?という印象。チャプターごとにできることが増えていくわけでもないし、便宜上分けただけ?な感じです。
また、歴代の王の剣を全部集めて王様に力を借りて…というコンセプトだったはずなのに別に王の剣を収集しなくてもクリアできます。しかも王の剣の方が結果的に使い勝手が悪いので、ありがたみも皆無でなんだったのコレという感じ。オープンシステムを採用しているが故に自由度を高めたかったのだろうけど、シナリオに厚みを持たす形で全部収集しないとボスが倒せないとか工夫が必要だったのではと強く感じます。
戦闘が苦痛だった。アクションが苦手なのでコマンド戦闘ができるRPGだったFF・DQをプレイしてきましたが、FF15はアクション戦闘。ただ、アクションの操作自体は難しくない、むしろ〇ボタンさえ押せれば勝手に動いてくれる仕様なのでどっちつかず過ぎて…。アクション操作をきわめて難しい敵を倒そうという感じでもなければ、武器や魔法・幻獣をうまく使って倒そうという要素も薄いのでいっそのこと戦闘シーンカットでもいいんじゃない?というぐらいだるかった。特に幻獣は仲間にできるものの自分のタイミングで呼ぶことができず、なんらかの条件がそろったときにのみ、うまくコマンド操作ができれば出てきますぐらいだったので、60時間プレイした中で呼び出せたのは10回未満。幻獣、必要でしたかね…
すごく大きなところをざっくりとまとめましたが、プレイ中も突っ込みどころ満載な設定が多数あり、お金を出して買わなくてよかったなぁと心から思える作品でした。
何せファンタジー感をまるで感じられないゲームで、これをFINAL FANTASYシリーズとして出す必要性のないシナリオ展開だったし、クリスタルの存在もちらっと出てくるだけ。そのチラっと出てくるクリスタルのシーンに、FFのクリスタルシリーズで使われていたクリスタルルームの音楽が使われたことに猛烈な怒りを感じる程にFFとしての世界観は皆無だった。
そりゃ世間から酷評されるのも仕方ない。製作スタッフ特に監督は真摯に受け止めて反省すべし。
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